或るロリータ

A Certain Lolita

労働

初めての転職が、人生の大きな一歩になった

私は人生で三度、転職を経験した。 環境を変えるのは、勇気と体力がいることだ。特に転職となると、会社によって規則や雰囲気はバラバラだし、正解は決してひとつではない。とりあえず一定期間を過ごせば自然に卒業できる義務教育とは違った、自発的なエネル…

もう一度ふるさとに帰れる日のために

昨年の暮れ、私はある分岐点に立っていた。人生の明暗を分ける決断をしたのだ。仔細に書くことは憚られるが、私の生活は少しだけ変わることとなった。仕事の幅がより広がり、自由になった反面、これまでよりはるかに重い責任を背負うこととなったのだ。今は…

心はいつまでも少年のまま

いつになったら自立できるのか、そんなことは考えずに過ごしてきた。小学生の気分のまま中学に進み、いつのまにか高校生になった。実家にいれば毎日あたりまえにご飯が出てきて、大きな家に守られて、いざとなれば責任なんて負う必要もない。自らの部屋に逃…

「後悔」ってそんなに悪くない

誰より故郷が好きだった私を突き動かしたのは、他でもなく積み上げてきた後悔だったのかもしれない。後悔……あのころの私には、とにかくそれしかなかった。 青春と呼ばれるはずだった時代を、私はすべて後悔に費やした。あるときは立ち去ってゆく少年時代の面…

限りない自由なんて、ただ淋しいもの

一人暮らしをしてみたいと、誰もが一度は思ったことがあるはずだ。特に思春期の時分には、親の愛がどこかうとましく感じられて、自分にはもうそんなものは必要ない、それより都会のアパートで一人暮らしをして、好きなものに囲まれた部屋で思うままに時間を…

社会では「すり減らさなかった人」が勝つ

先日、中学校と高校をともに過ごした同級生から電話がかかってきた。内容は、気まぐれな近況報告みたいなものだった。彼とは学校で特別仲がよかったというわけではない。教室にほとんど話せる相手のいない私に対して、彼は成績は悪かったが部活だけはひたす…

思い出がお酒の味を変える夜

金曜日が好きだ。それは今でも変わりない。学校が嫌いで仕方なかった中学生のころから今日に至るまで、私は金曜日のために生きてきたといっても過言ではない。金曜日という黄金色の甘い時間のために、どんな辛い毎日にだって耐えるのだ。いつか、金曜日がく…

「選ばない」という選択をやめた20代前半

私は何かを選んだことがない人間だった。生まれた田舎町でそのまま育ち、親や友達ともそれなりに仲良く、喧嘩をすれば普通に落ち込み、与えられた幸福には素直に喜ぶ少年時代を過ごした。だが、一歩間違えば、私の少年時代はもっと悲惨なものだっただろう。…

オンとオフが切り替えられない人生になってしまった

なんて言うと、大袈裟すぎるだろうか。しかし、近頃の私の悩みといえば、ほぼそれに尽きるといってもいい。中学生以降、私は学校なんて行かなくて済むなら行きたくないと思うたぐいの人間だった。部活も勉強も、趣味でさえ、一筋で打ち込むということを知ら…

失業からスタートした私の2016年

ちょうど去年の今頃だった。地元で勤めていた仕事を辞め、上京し、新しい仕事を始めて一か月ほどが経過していた。上京する前に抱いていた東京へのイメージは、かつて旅行に訪れた際の東京駅や日本橋の襟を正したビル群や、活気あふれる上野浅草のあたりであ…

自分が今、幸せなのかが分からない

五月がもうすぐ終わる。夏がくるのだ。私は夏が好きだ。このまま走り続けていたら、夏なんてあっという間に訪れて、そうしてあっという間に過ぎてゆくだろう。そう思うと、一体どういう準備をして夏を迎えればよいのか分からなくなってしまった。 新しい仕事…

どんどん何もできなくなってゆく自分が嫌で

仕事を始めてもうすぐ二ヶ月が経とうとしている。仕事をしていなかった頃の私は時々ハロワに行くことを除けば、毎日ブログを書くくらいしかすることがなくて、ブログを書くことでネット上に自分が今日生き通したという記録を書き残していないと、生きている…

いつしか私の前に立ちはだかっていた労働の壁が消えた

大人になるにつれて、自由でない時間のすべてが嫌いになった。小学生のころは苦手な水泳と跳び箱の授業がある日以外はそれなりに楽しく通っていたし、中学校のときは国語と社会とパソコンの授業がある日だけは何が何でも眠い目をこすって通っていたし、高校…

初任給が出たらまず何に使うべきか

死が間近に感じられるほど生活に困窮していたニート生活も終わり、何食わぬ顔で通勤電車に乗る毎日もすっかり板についてきた。とはいえまだ初任給をもらうまでには一ヶ月の日月を要する。カード払いで負債を先送りにしつつどうにか毎日を凌いではいるけれど…

仕事を辞めたらすぐにハロワに行かないと後悔する

私は今年の始め、仕事を辞めた。しかし、役所の手続きや引越しの準備に追われて疲れていたのもあり、ハロワへ通い始めたのは退職からおよそ一ヶ月後であった。結論から言うと、そのせいで、20万円以上の大金を損してしまったのだ。 「ハロワなんて使わずに就…

社会復帰を果たして最初の一週間が終わった

金曜日の夜だ。最高の瞬間だ。この感覚を味わったのは数ヶ月ぶりである。地元にいた頃はいつも金曜日になると私は浮き足立っていた。帰ったら友達とお酒を飲めるからである。仕事中でもどんなお酒を飲むかとかどんな料理を作るかとかそんなことばかり考えて…

今日でニートを辞めることになった

ニート生活を始めて二ヶ月近くが経とうとしている。 steam.hatenadiary.com 自由にはちがいないけれど不安でいっぱいだった。際限のない自由はもはや自由ですらないことを知った。そんな期間だった。 どんな失敗も、どんなに無意味に思える時間も、あとで思…

夏が好きすぎて写真集を作ってしまった

私は夏が好きである。何よりも夏が好きである。夏という季節に関わるすべてのものが好きである。このブログを始めた頃もちょうど夏の手前で、夏に関する記事を毎日毎日書いていたのを憶えている。だから、夏が好きだという人に出逢うと嬉しいし、その気持ち…

ニートになって変わったこと

私は二十年以上九州の田舎町で育ってきた。平凡な家庭に生まれたが、大した苦労もせずに育ち、大して考えもせずに地元の企業に就職した。毎週末は自宅か友人の家で酒を飲み、月に一二度は居酒屋へ繰り出すこともできた。たぶん、人はそれを平和と呼ぶのだろ…

ハローワークの説明会に行ったけど泣きたい

午前八時、目覚まし時計に叩き起こされるけれど、手探りでスイッチを切り、再び夢の中へ。次に目覚めたのは九時半を回った頃だった。焦って跳ね起きて、一杯の水を飲んでから、服を着替え、マフラーを巻いてコートを羽織り、帽子をかぶって家を出る。ニート…

もう転職なんてしない

初めて買ったCDが槇原敬之の「もう恋なんてしない」だった。今では目にすることもなくなった8cm盤の小さなCDを、割れるほど聴き込んだのを覚えている。その頃私はまだ小学生だった。取り立てて失恋をした直後だったわけではないのだが、流行りのイカした派手…

多分、この先もずっと甘い夢を見て生きてゆくのだろう

ふいにそんなことを考えてしまって絶望することがある。生活にゆとりがあるうちは、漫画家とか総理大臣とかそんな叶いそうもない夢を追っているポーズを取っていても、それはそれで冗談まじりのロマンチストでいられるんだけれど、生活が困窮するにつれて、…

失業してしまった

田舎から夢を抱いて上京した青年は、見事転職に成功して新たな人生を歩み始める——。 という淡い夢は、上京から僅か二ヶ月足らずで砕け散ることとなった。両親や地元の友達にも、東京ででっかい人間になってくるなどと宣言して、惜しまれつつ振り払うように地…

明日、退職の意思を告げる

「仕事を辞めさせて頂きます。」 そう告げようという前の晩、私は落ち着かなかった。つまり今この瞬間である。正確には、一週間ほど前から気が気ではなかったのだが。明日、八月二十八日、この日に退職の意思を告げることを決定したのは、もう二ヶ月以上前に…