久々に本屋へ出かけた。
空き時間に立ち寄ることはあれど、本屋を目的に出かけるというのはそうそうない。田舎住みなので新刊が出るのも遅いし、食料品以外は大抵Amazonで済ませてしまうのが田舎者の習性なのだ。
そんな私が唯一Amazonで済ませられない買い物が、表紙目当ての文庫本を買うことである。
今、古典作品の装丁はとても凝っている。というより現代的だ。周りに並ぶ新刊にすっかり馴染んでいる。だからこそ若い人や知らない人にも手に取りやすいのだろう。私はコレクターの側面があるので、青空文庫で読むことのできるような作品を、わざわざ買ってしまうのだ。特に角川文庫なんかは、グッとくる表紙にいちいち新装するものだから、私は人間失格を三冊も持っていたりする。
今回目当てだったのは、太宰治の「女生徒」である。
偶然TVでこの表紙のものが紹介されていたのを見て、購買意欲を刺激されてしまったのだ。Amazonで買うとどの表紙のものが届くか断定できないので、本屋へ行くことにしたわけである。
しかも、これ一冊だけ買うことでレジの女性書店員さんに、「こいつTVで紹介されたの見てまんまと来やがった」みたいな感じに思われるんじゃないかとおそれて、そこで見つけた前から気になっていた最果タヒさんの詩集を手に取ると、それも割とアニメチックな表紙だったので少し気おくれして、さらに均衡をとろうと開高健の短編集を追加したところで、予定外に三冊も購入する羽目になってしまった。
ちなみに表紙買いした本はもったいなくて読めないので、別にある読む用を常用して、結局これは保管用になってしまうのがオチである。
でも、本屋に行くとこういう意外な出逢いがあるからおもしろい。
今回購入した本
女生徒については以下の記事もぜひ。