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或るロリータ

A Certain Lolita

noteで小説を書くのが楽しい

文藝 潮流

noteというサービスをご存知だろうか。まだ数年前にできたばかりなのだが、これだけ情報が氾濫する社会の中で、シンプルにクリエイターが写真でも音楽でも文章でもなんでも投稿できるというサービスである。noteには投げ銭システムがあり、それで大儲けしている人もいるらしい。お金絡みの話で、最近少し悪い方で話題になることがあるnoteだけれど、私にはあまり関わりのない話なので気にかけていない。

私がnoteを始めたのは一年半ほど前で、Twitterのフォロワーさんがたまたまやっているのを見かけて自分も登録してみたのだ。まったく使い方が判らなかったが、シンプルな画面と、人の少なさが心地よくて、なんとなくツイッターとブログの中間のような使い方をしていた。

noteにはTwitterでいうところのふぁぼ(いいね)や、はてなでいうところのスターのような機能がある。「スキ」というものだ。この「スキ」というのにキュンとしてしまって、私はnoteが好きになった。

私はnoteでポエムを書くようになった。酔っぱらうと私の指先は訳もなくキーボードの上でタップダンスを踊り始めるのだ。そんなときに書き散らした文章を、ブログに載せるのも迷惑だし、Twitterに載せるには長すぎるし、まさかFacebookやLINEに晒す訳にも行くまい。私はnoteを酔った時の感情を吐き捨てる場所として使うようになった。noteは私の精神安定剤だった。ときどき誰かが「スキ」をつけてくれるのが嬉しくて、ますます酔っぱらう夜が続いた。

さて、そんなnoteでは、密かに小説界隈が盛り上がっている。ネットで小説を発表する場として、ブログもpixivも小説家になろうも、私にとってはしっくり来ないものだった。ブログで書くには、なんだか周りとの空気感があまりに違いすぎるし、pixivも、やはりイラストがメインというイメージが拭えない。小説家になろうとかそれに似たようなサイトは閉鎖的だし、投稿されている数が多すぎてなんだか開くのが億劫になってしまう。第一、ネットで発表される小説は、いわゆるラノベ系統のものが主流で、私のような果たして小説とも散文詩ともつかないタップダンスの足跡は、発表なんてするべきでなくパソコンに眠らせておくのが賢明だと思えてしまう。

だからnoteにした。なんだかnoteの人はみんな優しいのだ。空気感がとてもよい。書くのが好きで、読むのが好きな人たちが集まっているのだろう。誰にあてるでもなくnoteでひたすら詩作にふける人を見つけたりすると、私は舌なめずりをする。

今、noteで行なわれているショートショートフェスティバルというイベントが面白い。2000文字以内の短い小説を発表しあうというものだ。私も参加してみたのだけれど、それを通じてこれまで知らなかった方を知ることができたり、逆に何人もの方にフォローされたりして、小説が好きな人がnoteには沢山集まっているのだと改めて思い知らされた。

note.mu

このイベントも、別に運営がやっている訳ではなくて、noteで作品を発表しつづけている海見みみみさんという一人のクリエイターの方がすべて管理されている。おまけに参加した作品はすべて同人誌にまとめるのだという。自分の書いた文章が紙に印刷されるというのはそれだけで嬉しいものだ。思わず注文してしまった。これだけ多くの方の文章をまとめて読める機会というのはそうそうないものだし。

ネット上では、音楽や動画、イラストと比べて、小説というのはやはり盛り上がりにかける部分があるけれど、こうしたイベントを通して、文章を書く楽しさや読む楽しさに気づく人が少しでも増えたらいいと願うばかりである。

 

ちなみに私は二作品投稿してみたのだけれど、どちらも酒と煙草と失恋の香りのする話になって、自分の引き出しの狭さにかなしくなってしまった。

note.mu

note.mu