或るロリータ

A Certain Lolita

仕事を辞めている間に観た映画を振り返る

仕事を辞めてニート生活が始まった当初、せっかくだから沢山インプットをしようと、度々ツタヤへ赴いたものである。私は映画に関してまったくの素人である。もっとも、映画の製作にでも携わっていない限りみんな素人には違いないのだろうけれど、とりわけ私ほど映画を観た本数と映画に関する知識が比例しない人間も珍しい。普通はきっとあの映画のあのシーンがよかったとか、そんなことを映画通同士カフェの窓際の席で語り合ったりするものだろうけれど、私は仮に観たことのある映画であっても「面白かった」というような感想しか絞りだせないほど何も考えずに映画を観てしまう人間なのである。だからこそ私が面白いと思う映画はきっと誰でも面白いはずだ。

そうして今回はこの二ヶ月ほどで観た映画の記憶を辿り、憶えている限りを列挙して行きたい。

 

海月姫

海月姫

海月姫

 

 能年玲奈ちゃんが主演のコメディ。色んなジャンルのオタク女性たちが住むアパートに、女装した美少年が入り込んでくるというお話。女装しているのは今をときめく菅田将暉くんであるが、普通に美しいから反則だ。

設定だけで面白そうだから、劇場公開時に観に行くつもりだったのが行けずじまいで、結局今更観ることになったという。

 

サマータイムマシン・ブルース

 こちらもコメディ。SF研究会のメンバーがタイムトラベルしまくる話。夏のけだるさがよく出ている。出演者がとても豪華で、「みんな若いなあ」なんて思いながら観てしまった。

 

Mr.&Mrs.スミス

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 偶然テレビでやっているのを観たのだけれど、洋画は一度観だしたらテンポがよくて、なかなか場を離れられなくて困ってしまった。

主演がブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリー。ハリウッドスターとかまったく興味のない私でも知っている名前である。二人は夫婦なのだが、お互いに自分が殺し屋をやっていることを隠して生活している。そのうちに実はお互いが敵対組織だったことを知り、大変な夫婦喧嘩に発展していくという話。

このくらい派手に喧嘩したら、どんなに仲の悪い夫婦でも何故かすっきりするんじゃないかと思えるような、痛快なアクションだった。

 

 幸福の条件

幸福の条件 [Blu-ray]

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全財産を失った夫婦が、カジノで出会った富豪に「100万ドルで奥さんと一晩過ごさせてくれ」と提案を受ける。NTR物の苦手な私は、見ているのが辛かった。男女どちらの立場にも感情移入できて、思わず考えさせられる一作だった。

 

 冷たい熱帯魚

冷たい熱帯魚

冷たい熱帯魚

 

食事中にこの映画を観たことを後悔した。けれど、最後にはそんな後悔はどうでもよくなった。血みどろのバイオレンスストーリー。熱帯魚屋を営んでいる夫婦の生活模様から、まさに現代日本のじめじめとした感じが滲み出ていて、気の滅入るようだったが、それを掻き消すようなぐちゃぐちゃのバイオレンスシーンを観て、これは眼で楽しむ映画なのだと思った。

 

 地獄でなぜ悪い

 こちらもぐちゃぐちゃのバイオレンス。ちなみに同じ園子温監督である。ヤクザが紆余曲折あって実際の抗争を映画に撮ろうとする話である。演技も演出も何もかも吹っ切れていて面白い。

 

俺はまだ本気出してないだけ

 40歳にして漫画家を目指すフリーターの物語。設定だけ見ればおぞましいが、本人が底抜けに明るいのと、周りの人間との関わりの人情くささに予想外に胸を打たれた映画だった。ただ笑えるでなく、「自分も頑張ろう」という気になれた映画だった。

 

夏の終り

夏の終り [DVD]

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 瀬戸内寂聴の自伝小説が原作の恋愛映画である。満島ひかりは「強い女」と「か弱い女」のふたつの側面を併せ持っているから凄い。時代背景に合わせた映像美と文学の香りを堪能できる上質な一作だった。

 

 IZO

IZO [DVD]

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 まずWikipediaを見ていただきたいのだが、注目して欲しいのはその出演陣。多分日本映画史上もっとも豪華な出演陣なのではないだろうか。内容は、ひたすら人を斬りまくるという斬新なもの。主題歌を歌っている友川かずきのファンなので視聴するに至った。人がやっているアクションRPGのゲームを隣で観ているような気分になった。友川かずきの歌の通り、「訳のわからん気持ち」にさせられた作品である。

 

 この子の七つのお祝いに

あの頃映画 「この子の七つのお祝いに」 [DVD]

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怨念のつまったサスペンスホラー。昭和の匂いが漂う映画であった。だけども古臭いことと面白いかどうかはまったく関係ない。ホラーでも観てみるつもりの軽い気持ちで借りた映画であったが、単純に面白く、二時間見入ってしまった。紛れもない名作である。ホラーというよりは、女の執念の怖さを感じさせられる。

 

 海でのはなし。

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 スピッツの曲が好きで、宮崎あおいが好きで、西島秀俊が好きなら観た方がよいだろう。私も現にそうだった。

青春はいつだってちっぽけだ。ちっぽけな世界の中でもがいていたあの頃が懐かしくなる、静かで、海の音のする映画である。

 

 ミスト

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今や「後味の悪い映画」の代表としてネット上で度々目にするこの作品。自分のハンドルネームと同じということもあり、前々から気になってはいたんだけれど、後味が悪いと知っているとなかなか進んで観る気にはなれない。

その日は偶然気分が乗っていて視聴に至った。霧に覆われた町で、スーパーに逃げ込んだ状況から物語は展開してゆく。スーパーの中で過ごす各々の葛藤や集団心理をうまく描いていて、スケールを大きくしすぎないところが私の肌に合っていた。 

後味は、確かに良くはなかった。けれど、覚悟していたぶんそこまでショックを受けた訳ではなかった。映画としても単純に面白く、人に幾つかオススメの映画を薦めるときに、こっそり混ぜておきたい一作である。

 

以上、思い出せる範囲で書いてみた。

私は人に薦められた映画はとりあえず観てみる主義なので、もしお薦めの映画がある方は、ぜひ教えて頂ければ、ツタヤへ走ります。