或るロリータ

A Certain Lolita

2018-01-01から1年間の記事一覧

一年が終わるたび、思い出す人がいる

年末年始の雰囲気がとても好き。学生は一足先に冬休みに入って、大人は気ぜわしく仕事を畳みにかかり、みんなどことなく浮き足立った、あの数日間が。クリスマスのロマンチックな雰囲気から、一気に年の瀬へ駆けてゆく感じ。テレビ番組はとにかく毎年おんな…

心はいつまでも少年のまま

いつになったら自立できるのか、そんなことは考えずに過ごしてきた。小学生の気分のまま中学に進み、いつのまにか高校生になった。実家にいれば毎日あたりまえにご飯が出てきて、大きな家に守られて、いざとなれば責任なんて負う必要もない。自らの部屋に逃…

ふるさとはいつまでも青い思い出の中に

私のふるさとは九州の片田舎、大分県である。よくこういう紹介をすると、「大分ってどこ?」そんな期待通りの反応をいただくことが多い。年配の方だと「昔一度行ったことがある」とか、もっと年配の方だと「私のころは新婚旅行で別府に行くのが流行ってた」…

森田童子が死んでしまった

毎年六月になると必ず思い出す曲がある。切っても切れないみずいろで、私の心をつなぎ留めている儚い歌声がある。どこへ行って何をしようと、街も季節も私自身もすべて変わってしまっても、かならず戻れる場所がある。弱くて優しくてふるえてばかりいたあの…

「後悔」ってそんなに悪くない

誰より故郷が好きだった私を突き動かしたのは、他でもなく積み上げてきた後悔だったのかもしれない。後悔……あのころの私には、とにかくそれしかなかった。 青春と呼ばれるはずだった時代を、私はすべて後悔に費やした。あるときは立ち去ってゆく少年時代の面…

限りない自由なんて、ただ淋しいもの

一人暮らしをしてみたいと、誰もが一度は思ったことがあるはずだ。特に思春期の時分には、親の愛がどこかうとましく感じられて、自分にはもうそんなものは必要ない、それより都会のアパートで一人暮らしをして、好きなものに囲まれた部屋で思うままに時間を…

お酒をやめることにした

突然だが、お酒をやめようと思う。これは目標ではなく、決断だ。思えば私は青春の終わり頃からずっと、お酒とともに生きてきた。遥かなる思い出の数々はそのほとんどが酔いどれだ。飲むことでしか夜の行き方がわからなかったし、一杯飲むごとに延長されてゆ…