或るロリータ

A Certain Lolita

徘徊

棚田に無数の灯りがともる「ホタルかがり火まつり」で素敵な夏のはじまりを

先日、秩父の方で行われた「寺坂棚田ホタルかがり火まつり」なるものへ行ってきた。コンセプトは「棚田を楽しむためのイベント」らしい。こんなに素敵なイベントを今まで知らずに過ごしてきたなんて……と少し悔しい気持ちになりながらも、これは夏開きにぴっ…

古道具店で見つけた中身の読めない「マスク本」にワクワクする

三鷹の小古道具店「四歩」をご存知だろうか。駅前の大通りを少し歩いて、ふと路地裏へ折れたところで、ひっそりと店を構えている。小さな店で、目立つ看板もない。しかし、店先まで行くとその異様な雰囲気に圧倒されてしまう。「この店には何かあるぞ……!」…

歩きながら音楽を聴くのは楽しい

タイムカードを切って、仕事場のドアを開ける。エレベーターを待つあいだ、ポケットからiPodを取り出す。イヤホンを耳に挿して、iPodの電源を入れる。今朝、通勤中に聴いていた相対性理論が一時停止になったままだ。プレイリストをぐるぐる回して、浅川マキ…

空の綺麗な町だった

東京には二種類の人間がいる。それは東京で生まれた人間と、田舎で生まれた人間である。私は後者、東京の空を狭いと思ってしまう方の人間だ。あらゆる場所で人々は持ち寄った故郷の話をする。故郷の話は人と人とをいちばん初めに繋ぐきっかけになる。そうし…

文芸フェスで夜の丸の内へ行ってきた

風のさわりが肌に優しくなり始めた早春の宵、ようやく社会復帰した私は久しく終業後の心地よい気だるさを引きずりながら、中央線の上り電車の混み合う車内へ乗り込んだ。向かう先は東京駅丸の内ビルディング。今宵はなにやら文芸フェスなるイベントが行われ…

夕暮れの玉川上水沿いを散歩する

ニートにとって一番の問題は、運動不足である。ハロワに呼びつけられたり、食材を切らしてスーパーへ出かけたりする日であれば、往復二十分ほどの道のりを歩くことはあるんだけれど、何の予定もない日には、まったく陽の光を浴びずに一日を終えるなんてこと…

半径2キロのタイムスリップ

休日になると、ときどき思い立ったように散歩にでかける。ものぐさな私だが、一度散歩に出かけてしまうと、後先考えずにずんずん遠くまで行ってしまって、数時間は帰らないのが常である。気がつけば随分と遠くまで来てしまって、帰り道、途方に暮れてしまう…

くたびれた夜の一杯に

クリスマスイブは眠れない。幼時の私はそうだった。サンタクロースがプレゼントをくれるからである。欲しかったゲームソフトが朝には枕元に置かれてあるのを想像しながら、ほとんど夢さえ見ずに目をつぶっていた。誕生日と並んで、クリスマスは私にとって最…

横浜中華街の風景

私の想像していた都会とは、人がぞろぞろ動き回って息の詰まりそうな背景のない人混みのことだったのだが、上京してすぐに訪れる機会のあった横浜中華街は、思いの外街の地肌が覗いていた。 どこか物憂げにも感じられた。 昼飯時で、腹の虫も幾分のどを鳴ら…

海をさがしに青島へ

あてもない旅だった。本当にあてもなかった。じゃらんポイントの有効期限が今月で切れてしまうというたったそれだけの理由で、安いビジネスホテルを予約して、その三日後には家を出発した。一人旅だ。一人旅の移動手段として自動車を選ぶのは、最善ではない…

青春18きっぷで九州を旅してきた

去る八月七日より二泊三日、みんな大好き青春18きっぷを使って一人旅に出掛けていた。おそらく知らない人はいないと思うが、青春18きっぷというのは11,850円で買えて一日乗り放題の乗車券が五枚綴りになっている貧乏学生に打ってつけのお得な券なのだ。日帰…

真夜中の学校

ひどく酔っていた。酔っていたから、何もかも許される気がした。 卒業して何年経つだろう。変わっているようにも、あの頃のままのようにも見える。 玄関に灯りがともっている。誰もいないのに不思議だ。 昔よくこうやって水を飲んだなあ。ぬるいのにごくごく…

大都会大分駅に行ってきた

大分駅といえば、最近大幅な改装を行ったり、ドでかい駅ビルが完成したりと、次々と巷で話題を生んでいる九州の新星である。県民はようやく都会の仲間入りを果たしたと浮かれているが、その前にみんな大分県ってどこにあるか判るのだろうか。 駅の正面北口は…