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或るロリータ

A Certain Lolita

人間を辞めた夜

人はどうして真夜中になると食欲が急激に湧いてくるのだろう。 人はどうして酔っ払うと幾らでも食べられるような気がしてくるのだろう。 つまり夜更けまでお酒を飲んでいる状態というのは、もっとも不健康でもっとも自堕落で、断罪されるべき悪徳にちがいな…

伊藤潤二という天才

伊藤潤二という漫画家を知っているだろうか。よく稲川淳二と勘違いされることがあるが、ホラーという点では共通している部分がある。だが、伊藤潤二の漫画は単なるホラーではない。圧倒的な画力と、斜め上を行く発想で、ただおぞましいのではなく、精神的に…

初めて創作した日のことを憶えているか

ニートだって酒を飲みたくなる日はある。戸棚に大切に仕舞っておいた電気ブランを取り出して、センチメンタルな曲をかけながら、少し、心を休めようと思った。私にとって懐かしむという行為は、現実のしがらみから逃れられる幾つかの方法のうち、もっとも手…

ハローワークの説明会に行ったけど泣きたい

午前八時、目覚まし時計に叩き起こされるけれど、手探りでスイッチを切り、再び夢の中へ。次に目覚めたのは九時半を回った頃だった。焦って跳ね起きて、一杯の水を飲んでから、服を着替え、マフラーを巻いてコートを羽織り、帽子をかぶって家を出る。ニート…

歯医者は誠実な男のためのキャバクラである

私は人生で三度、キャバクラに行ったことがある。一度目は前に働いていた会社の忘年会のあとに連れて行かれた時。二度目は卒業後に会った高校の同級生(在学中は一度も遊んだことはなかった。しかも彼は酒が飲めない)の誘いを断りきれずについて行った時。…

或るニートの食卓

仕事を辞めて一か月。日毎に生活が苦しくなってきた。ギブミーチョコレート。お菓子なんて当分買えそうもない。待てども待てども給料日なんて来ないから、少しでも延命を図るために、節約生活を行うことにした。 かといって、体を壊してしまっては元も子もな…

バレンタインデーの思い出

それはまだ私が小学生だった頃の話である。私には好きな女の子が何人かいた。幼少期から惚れっぽい性格をしていたのだ。幼稚園の頃なんておんなじ水色組の中だけでも十人以上好きな娘がいたくらいだから、小学生になって大分マシになったといえる。 1年3組の…

ホッピーの魅力

ホッピーをご存知だろうか。若者の酒離れが叫ばれる昨今、宴会の席で「とりあえずビール」の覇権が続いた日本の歴史も今や変革を迎えようとしている。 そもそも、何故「とりあえずビール」なのか、その理由を考えてみる。 一杯目の注文をスムーズに行うため…

私が高校時代に友達ができなかったわけ

私には友達がいなかった。ただの一人もいなかった。人が「青春」と聞いて真っ先に思い浮かべるであろう高校時代の三年間にである。 私が生まれたのは九州の片田舎である。町には大きな川が流れ、山もあったし田園風景も広がっていた。むしろそれしかなかった…

もう転職なんてしない

初めて買ったCDが槇原敬之の「もう恋なんてしない」だった。今では目にすることもなくなった8cm盤の小さなCDを、割れるほど聴き込んだのを覚えている。その頃私はまだ小学生だった。取り立てて失恋をした直後だったわけではないのだが、流行りのイカした派手…

多分、この先もずっと甘い夢を見て生きてゆくのだろう

ふいにそんなことを考えてしまって絶望することがある。生活にゆとりがあるうちは、漫画家とか総理大臣とかそんな叶いそうもない夢を追っているポーズを取っていても、それはそれで冗談まじりのロマンチストでいられるんだけれど、生活が困窮するにつれて、…

嵐の一番搾りの新CMが素晴らしい

お酒のCMというと、センスを感じるものが多い印象がある。特にビールのCMは、喉が渇いている時に見てしまうと瞬間的にコンビニへ走りたくなってしまうからやっかいだ。 思い出せる範囲で言うと、たとえばプレモルのCM。 ザ・プレミアム・モルツ『ビア・テイ…

失業してしまった

田舎から夢を抱いて上京した青年は、見事転職に成功して新たな人生を歩み始める——。 という淡い夢は、上京から僅か二ヶ月足らずで砕け散ることとなった。両親や地元の友達にも、東京ででっかい人間になってくるなどと宣言して、惜しまれつつ振り払うように地…

私が上京を共にした12冊の本

上京してもうすぐ三ヶ月だ。計画通りには行かないことばかりだけれど、なんとか生きている。思い起こせば上京前日も、ギリギリまで荷造りをしていた、というか、当日の朝にもまだ準備が終わっていなかったような気がする。ろくに寝る時間もなく、早朝に起き…

大人になんてなりたくなかった

明日で二十歳になるというとき、私は好きな子に告白すらできなかった中学の卒業式の時と同じ気持ちでいた。十代という、許されることが当たり前の、人に倚りかかることが当たり前の、自分勝手で自堕落で、それなのに愛される権利を持っている瑞々しい季節が…

半径2キロのタイムスリップ

休日になると、ときどき思い立ったように散歩にでかける。ものぐさな私だが、一度散歩に出かけてしまうと、後先考えずにずんずん遠くまで行ってしまって、数時間は帰らないのが常である。気がつけば随分と遠くまで来てしまって、帰り道、途方に暮れてしまう…

一年が短すぎやしないだろうか

今年が終わってしまう、そう考えると無性に焦ってしまうものだ。毎年毎年、なんだかしらないけれどやり残したことがあるような気がしながら、その心残りを翌年に繰り越して、かといって心変わりするでもなく、いつも通りのぱっとしない新年を迎える。そんな…

くたびれた夜の一杯に

クリスマスイブは眠れない。幼時の私はそうだった。サンタクロースがプレセントをくれるからである。欲しかったゲームソフトが朝には枕元に置かれてあるのを想像しながら、ほとんど夢さえ見ずに目をつぶっていた。誕生日と並んで、クリスマスは私にとって最…

こんな時代だから年賀状を出す

私がまだ小学生の頃、この季節になると、毎年十枚前後だろうか、親から年賀葉書をもらってひとつひとつに友達の宛名を書き記していたのを覚えている。友達同士で年賀状を送り合うのが通例だったのだ。父親に頼んでパソコンで好きな漫画のイラストを印刷して…

咳をしてもひとり

久々に風邪をひいた。平熱が低いからか知らないけど私は滅多に熱が出ない体質なのだ。小学生の頃なんて冬でも薄着で走り回っていたけれど、風邪なんて無縁だったし、家も好きだけれど学校もそれなりに楽しかったから、病気なんてして友達と会えなくなるより…

横浜中華街の風景

私の想像していた都会とは、人がぞろぞろ動き回って息の詰まりそうな背景のない人混みのことだったのだが、上京してすぐに訪れる機会のあった横浜中華街は、思いの外街の地肌が覗いていた。 どこか物憂げにも感じられた。 昼飯時で、腹の虫も幾分のどを鳴ら…

もしも四年前に戻れたなら

私は変化というものに弱い性格をしているらしい。小学生の頃、中学生の頃、クラス替えが行われる度に不安で吐きそうになった。果たして馴染むことができるだろうか、うまくやっていけるだろうか、自己紹介はどうしよう、最初に誰に話しかけよう、あいつは知…

10年以上かけて貯めてきた貯金箱を壊した

小学生の頃から私はとにかくケチな性分であった。月のお小遣いは、一年生なら100円、二年生なら200円といった具合の、好きな時にジュースも買えない生活だったから、なおさらお金に対しては敏感だった。お小遣い以外での収入源といえば、家のお手伝いである…

鹿児島でモダンな駅舎めぐり

steam.hatenadiary.com あてもない旅の続き。 初日の宮崎の旅が海を眺めるだけで終わってしまったので、二日目は宮崎から鹿児島へ向かう道中で、田舎の駅舎めぐりをすることにした。 田舎の駅はなかなか分かりづらいところにある場合が多いので、ググって良…

海をさがしに青島へ

あてもない旅だった。本当にあてもなかった。じゃらんポイントの有効期限が今月で切れてしまうというたったそれだけの理由で、安いビジネスホテルを予約して、その三日後には家を出発した。一人旅だ。一人旅の移動手段として自動車を選ぶのは、最善ではない…

金曜日の夜に流れるあの曲

行きつけの居酒屋が出来たのは、まだ今年の夏のことだ。 狭くて居心地のよい空間の中で、大好きな日本酒のグラスを傾けながら、出し巻き卵をつついていると、一人のときも、二人のときも、それ以上のときも、舌の上に広がる幸福に、みんな喋ることを忘れてし…

寒い夜は燻製を作って飲む

燻製といえば、ただの食材を優秀な酒の肴へとグレードアップさせる魔法のことである。コンビニへ行っても、ただのチーズに比べてスモークチーズは少々お高かったりするので、なんとなく燻製というものに高級なイメージを抱いている人も多いのではないだろう…

同じ本をつい何冊も買ってしまう

久々に本屋へ出かけた。 空き時間に立ち寄ることはあれど、本屋を目的に出かけるというのはそうそうない。田舎住みなので新刊が出るのも遅いし、食料品以外は大抵Amazonで済ませてしまうのが田舎者の習性なのだ。 そんな私が唯一Amazonで済ませられない買い…

ニート初日を終えて

その日はニート一日目だった。無事に退職を終えた私の、自由で晴れやかで充実した一日が始まるはずだった。しかしその朝、私は浮かなかった。何を隠そう、二日酔いの苦しみに襲われていたのだ。 原因はその前夜。仕事納めの打ち上げで、明日からニートだと思…

BARで聴きたい井上陽水の名曲を紹介する

みなさんお元気だろうか。世間はシルバーウィークとあって、珍しく憂鬱が影をひそめている日曜の夜である。私は例に漏れず部屋でテレビを見たり音楽を聴いたりしながら親の仇のようにひたすら酒を飲み続けているところだ。ひとりで飲んでいると、何杯飲んで…

私をアル中から救ってくれた一冊の本

今頃私はひどいアル中だったかもしれない。なぜならあの頃の私は四六時中酒を飲んでいたからだ。私はまったく社会不適合者と言って良かった。人見知りの加熱と思春期の病の氾濫が掛け合わさったその時期には、他人の目を見て話すことができなかった。挨拶も…

教師が「まともな人」である必要はないのかもしれない

本当に学校とはギャンブルだ。クラスメイトも重要だが、担任が誰になるかというのもまた、一年間を大きく左右する条件にちがいない。そうしてそれは往々にして自ら選択することはできない。四月になり、新しいクラス割の紙が張り出され、始業式の折に新しい…

怪しげなプリンを手に入れたので電気ブランを飲む

近所のスーパーにて。プリンなどもう十年以上買っていないのだが、偶然怪しげなプリンを見つけたので思わず買ってしまった。 真っ黒プッチンプリンらしい。黒い物ってなんだか禍々しくて厨二病心をくすぐられてしまう。ブラックココア……これは酒が進みそうだ…

広島土産でお酒を飲む

先日、余っている青春18きっぷで広島へ行ってきた。時間がギリギリの予定を組んでしまったために、ろくに観光などできなかったけれど、なんとかお土産だけは買えたので、今夜はそのお土産でお酒を飲むことにする。 まずはビール。家にストックしてあったハー…

夏が終わってしまう

一昨日、無事に退職の意思を告げることができた。 明日、退職の意思を告げる - 或るロリータsteam.hatenadiary.com ツイッターなどでも色んな方に励ましのコメントを頂き、本当に勇気付けられた。それがなければ、怖気付いて言えなかったかもしれない。明日…

明日、退職の意思を告げる

「仕事を辞めさせて頂きます。」 そう告げようという前の晩、私は落ち着かなかった。つまり今この瞬間である。正確には、一週間ほど前から気が気ではなかったのだが。明日、八月二十八日、この日に退職の意思を告げることを決定したのは、もう二ヶ月以上前に…

ブログを毎日更新してはならない

5月にこのブログを作ってから、夏が始まるまで半分放置していた。そして8月に入って一度更新してからは、ほとんど毎日のように更新して、一昨日で気付けば10日連続で更新しているという私にしては異例の記録が出た。 夏は太宰の『女生徒』を読もう - 或るロ…

いちばん古い記憶ってなんだろう

もっとも古い記憶は3歳くらいまで - トロサバ!koujitokuchan.hatenadiary.jp この記事が興味深かった。いちばん古い記憶なんて今まで考えたこともないけれど、考えてみるのも面白いと思った。そうして考えてみることにしたんだけれど、まず「記憶」と「記録…

私が日本酒をワイングラスで飲む理由

最近、日本酒をワイングラスで提供する店が増えているような気がする。最初に見たときは、「何カッコつけてんだ!日本酒はお猪口だろ!」と思っていたが、別にあれはただカッコつけてるだけじゃなくて、ちゃんと意味があるんだなー、と最近思うようになった…

スイカを食べずに夏は終われない

お盆を過ぎた辺りから、夏の終わる気配が妙に強く漂ってきて、「今年の夏はもうやり残したことはないだろうか……?」と焦燥感に駆られるのは毎年のこと。 そういえば最近スイカ食べてないなー、なんて思っていたらちょうど頂き物のスイカがあったので食べるこ…

忘れられない夏

カメラを買って初めての夏だった。 今年の夏はまだ行ったことのない場所に行こうと決めていた。旅なんて、いつまでも出来るとは限らないから。 そして先日、青春18きっぷを買って熊本〜長崎への旅に出た。 <a href="http://steam.hatenadiary.com/entry/2015/08/09/192434" data-mce-href="http://steam.hatenadiary.com/entry/2015/08/09/192434">青春18きっぷで九州を旅してきた - 或るロリータ</a>ste…

国語の教科書が私を狂わせた

本だけが友達だった。といえば少し言い過ぎだろうか。だけど本は、私にとって最も大切な友人のひとりであったことには違いない。幼少期に字を読む楽しさを覚え、小学校に上がる頃には毎週のように県立図書館へ通って、大好きな児童書のコーナーから十冊の本…

お酒を飲みながら聴きたいサザンの名曲を紹介する

夏が始まる前は、「今年の夏は沢山美味しいもの食べて、沢山遊ぶぞ!」なんて甘い夢を抱いていたけれど、例年通り今年も夏バテに襲われたのか、三度の食事の間際になると、咀嚼することへの深い疑念を抱いてしまい、ついついジュースやアイスクリームで誤魔…

甘い物とウイスキーの組み合わせは人をダメにする

私はお酒が好きだ。特に好きなのは日本酒とウイスキーだ。そのほかにもビールと赤ワインと焼酎も好きだ。つまり全部好きだ。 よくビールと枝豆が合うとか、日本酒と刺身が合うとか、そんな定番の組み合わせを耳にするけれど、ビールや日本酒なんてのは、基本…

夏をもっともっと好きになる記事のまとめ

スチーム速報の方で、毎年恒例の夏スレまとめをやった。 さあ、夏がきたぞ。 : スチーム速報 VIPnewsteam.livedoor.biz いつも通り、去年の夏から一年間チェックしてきた記事の中から、特におすすめのものを10選するという形式だ。サムネイル画像と、クサ…

青春18きっぷで九州を旅してきた

去る八月七日より二泊三日、みんな大好き青春18きっぷを使って一人旅に出掛けていた。おそらく知らない人はいないと思うが、青春18きっぷというのは11,850円で買えて一日乗り放題の乗車券が五枚綴りになっている貧乏学生に打ってつけのお得な券なのだ。日帰…

星野みちる 『夏なんだし』は新しい夏のテーマソング

先般、おんぼろの軽自動車で突撃の旅に出た。主に写真撮影が目的である。おニューのカメラでひたすらに何か撮りまくりたい衝動に駆られていたのだ。道端に物憂げな向日葵でも見つけたなら、すぐに車を停めてパシャパシャやっていた。けれどその日は陽射しが…

夏は太宰の『女生徒』を読もう

いちばん文学の香りがするのは秋であるのにはちがいない。秋はわかりやすくセンチメンタルな季節だからだ。耽美的な小説などは秋に読むとなおさらよだれが出る。けれど作品によっては春だったり夏だったり、それぞれ季節感を纏っているものがある。 私は例に…

真夜中の学校

ひどく酔っていた。酔っていたから、何もかも許される気がした。 卒業して何年経つだろう。変わっているようにも、あの頃のままのようにも見える。 玄関に灯りがともっている。誰もいないのに不思議だ。 昔よくこうやって水を飲んだなあ。ぬるいのにごくごく…

なぜ結婚しないのか

結婚しない若者が増えている、というのは散々言われた話であるが、結婚という言葉が未だ重々しいことにその原因があるのではないかと思う。 例えばある男女がいて、最近彼女の方がゼクシィを読んでいる、みたいな。男の結婚に対するプレッシャーを表す例えと…